めくるめくメルク丸

ゲーム/哲学/人生

革ジャン亡霊はウォッカ・ギムレットの夢を見るか? 『The Red Strings Club』『VA11Hall-A』が描き出す「魂の交流場」としてのBARとは

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「バーテンダーがその日最初のカクテルを作り、まっさらなコースターに載せる。隣に小さく折り畳んだナプキンを添える。その1杯をゆっくり味わうのが好きだ。しんとしたバーで味わう最初の静かなカクテル――何ものにも交えがたい」
(『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー)

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「1日を変え、人生を変えるカクテルを!」 

はじめまして。私、現役バーテンダーのラブムーと申します。
今日はバーカウンターの中でシェイカーを振りながら、ゲームにおける「Bar」と「酒」について考察したいと目論んでおります。

さて、Barと言えば、BGMはやっぱりJazz。ちょいベタだけど、今夜はビル・エヴァンズの『Waltz For Debby』をかけよう。世界中のトラディショナル・バーのほとんどで1度はかかったであろう(推測)、名盤中の名盤だからな。

(レコードに針を落とす)

うーん、やっぱレコードで聴く『Waltz For Debby』はたまらんな。まだ開店前だけど景気付けにフローズン・ダイキリでも飲むか。

しゃかしゃかしゃか……。

カラン……(ドアの開く音)

おや? まだシャッター上げてないのにお客が……?
!!!!!!!!!

f:id:lovemoon:20210624221731j:plainうーむ、いかにも一筋縄ではいかなさそうな容貌だな……。
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「お客様、当店は初めてでいらっしゃいますか?」(なるべく余裕のあるところを見せなくては)
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「あなたと会うのは初めてデス。」
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「失礼いたしました……(しまった、常連客か)どうぞカウンターへ。何を飲まれますか?」

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「このバーでは、いつも私のマインドに合わせたカクテルを作ってもらっデス。」f:id:lovemoon:20210626122134j:plain
「かしこまりました……(うー緊張する)。では、今夜のご気分は? 」

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「私の気分を読んで、カクテルを作るのがバーテンダーたるあなたのお仕事ではないのデスか?」

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「はは……その通りです……たいへん失礼いたしました。」(容赦ねーな。だが俺に……作れるか? 彼の気分に相応しいカクテルが……)

ん?

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!!!!!
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……見えたぞ! この配合か!!!

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「早く作ってくれデス……。」


Barと酒

かねてより、Barと酒をこよなく愛するゲーマーとして、その両者をテーマに据えたゲームの登場を切望していた。
とはいえ、これまでゲームにおいてその存在はすっかり無視されていたわけではない。

f:id:lovemoon:20210624220714j:plain『探偵神宮寺三郎』シリーズにもBar。

f:id:lovemoon:20210624220824j:plain『龍が如く』シリーズにもBar。

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『レッド・デッド・リデンプション』シリーズにもBar。

f:id:lovemoon:20210624220743j:plain『ドラゴンクエスト』シリーズにも、Barや酒場は登場してきた。そこはいつでも数多の冒険者たちが集い、出会い、憩える象徴的空間であった。
しかしゲームにおいて、それらはあくまで舞台装置としての「酒場」、小道具としての「酒」の域を出ていなかったように思う。

ゲームに「Bar」と「酒」がそれほど頻繁に登場しない理由には「レーティング」の存在も大きいことは想像に難くない。酒場や酒類を登場させるために、パッケージに「飲酒・喫煙」の表記が義務づけられることは、メーカーにとってはそれほどポジティブな要素とは言えないだろう。
レーティングの存在をひとまず置くとしても、「Bar」や「酒」はそれだけではゲームのメインステージ/テーマには成り辛いところがあるように思われる。
「ヴィデオゲーム」というメディアは「Barと酒」を主題として扱えるほど成熟していなかった――したり顔でそう述べることもできるのではないか?

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シューマンズ・バー・ブック(2018)

映画や文学においては「Bar」「酒」を舞台に、あるいは「酒呑み」たちを主題にした数限りない作品が生み出されてきた。
映画作品においては、有名作『カクテル』から、『コヨーテ・アグリー』といった、Barとダンスを生業にする女性たちを描いた名作が撮られている。
ドキュメンタリー作品では2018年に公開された、伝説のバーテンダー・チャールズ・シューマンの生き様を描くドキュメンタリー映画『シューマンズ・バー・ブック』が多くのバー好きの注目を集めた。また、日本を代表するカクテル「雪国」を生んだ、日本最高齢(2020年に他界)のバーテンダー・井山計一に密着した『YUKIGUNI』も公開されたばかりである。

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文学作品ではアーネスト・ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァー、チャールズ・ブコウスキー、中島らも……それら酒好きの作家たちと酒を切り離して考えるのは難しい。またハードボイルド小説において、「探偵とBar」の組み合わせはいささか「お約束的」ではあるものの、未だ切っても切れない関係であることは衆目の一致するところだろう。

今日もなお、世界でもっとも有名なハードボイルド探偵であるフィリップ・マーロウ氏は、ほとんど全作品において誰かと(あるいは1人で)Barを訪れるか、あるいは自室でスコッチ・ウィスキーをきこしめしている。その中でも冒頭で引用した『ロング・グッドバイ』では、ショートカクテル「ギムレット」を通じて、探偵マーロウと盟友テリー・レノックスとの魂の交流が、美しくもビターに描かれている。


映画や小説をこよなく愛する筆者が長く夢見てきたのは、プレイすることによって「Bar」という場所について改めて考えさせられ、現実世界における「酒」について思いを凝らし、ほどなく現実のBarへ足を伸ばしたくなる――そんなチャンドラー作品のような魅力をたたえたゲームであった。

そして2016年。筆者が待ち焦がれていた、「Bar」と「酒」をメインに据えたゲームが登場した。ご存知『VA11-Hall-A』(Sukeban Games)である。

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 『VA-11 Hall-A』(2016)

今作はBarとカクテル、そして対話を愛するゲーマーにとって、きわめてエポック・メイキングな作品だったことは間違いない。インディーズゲームらしいユーモアとペーソスに溢れる作品だが、Barを舞台にした様々な人間ドラマや社会風刺がときに魅力的に、ときにハードに描かれる。

主人公ジルの職業は所謂「バーテンダー」であり、舞台はスタートからラストまでBar(途中、彼女の自室を挟む)である。

彼女の役目は、Bar『Va-11 Hall-A(ヴァルハラ)』にやってきた個性豊かなキャラクターたちにカクテルを供し、彼らの話に耳を傾けること。時代設定が近未来であっても、彼女の仕事は西部開拓時代から現代まで脈々と続いてきた職業・バーテンダーと何ら変わるところはない。1人の人間として他者と向き合い、傷つき、世知辛い世界を1匹の猫ともに生きている。

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『VA-11 Hall-A』はベネズエラのインディーズ作品というユニークな出自でありながら、製作者たちの予想を遥かに超える大ヒットとなり、日本国内においても2018年にVITA版が、2019年にはPS4版とSWITCH版がリリースされた(JOY-CONをシェイカーに見立てて「シェイク(振る)」することによってカクテルを完成させる――そんな追加要素を勝手に夢見ていたのが未だ記憶に新しい)。

さらに2018年、『Red Strings Club』(Deconstructeam)がリリースされた。

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『The Red Strings Club』(2018)

2018年にリリースされたインディーズゲームを振り返った時、絶対に外せない今作。時代設定はやはり近未来である。

主人公の片割れ・ドノヴァンは『VA-11 Hall-A』のジル同様、彼の店を訪れる客に酒を供し、的確な会話を交わすことが(ゲーム前半部分における)メインとなる。
ただし『The Red Strings Club』においては、客が飲む酒の選択はドノヴァンに委ねられている。ドノヴァンは酒を通じて、やってくる客たちの心を可視化し、解放することができる天才的能力を有している。

だがそこに足を運ぶ客たちは、思想的にも行動的にも、大企業によって製造された、人々の精神を操作可能にするためのマインド・コントロールを推進する大企業に勤める、ドノヴァンと敵対する存在たちだ。
個人の精神を企業によってコントロールされることを否定するドノヴァンは、彼らの心の「内奥を開くべく」彼らの心を読み、客の内面にぴたりと合ったカクテルを調合する。

「類型的な英雄像とは異なる在り方で既成文化に対抗する存在を描き出す」のがサイバーパンクの本分とするなら、今作もまったき「サイバーパンク」と言えるだろう。人類の近未来における有り様と、人の心を操作する合法ドラッグを見事に描いたその手さばきはウィリアム・ブレイクやフィリップ・K・ディックの名作群を想起させる。

『VA-11 Hall A』と『The Red Strings Club』において描かれるのは、「近未来における人間性の回復とは何か?」といった今日的な問いかけをたっぷり含んでいるように思う。

最後に、もう一度問うてみたい。

「Bar」とはゲームにおいて、そして現実において、どのような意義を持つ場なのか?

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「Bar」は酒類を供されたい者たちがやって来る小さな飲食店であり、全ての酒類は多くの国において認可されている向精神物質――つまりは「合法ドラッグ」である。そんな考え方ももちろんあるだろうし、ある側面において、その考えは正しい(その意味では『The Red Strings Club』バーテンダーのドノヴァンが客に酒を供し、その精神状態を変化させるという行為も、ドノヴァンが忌み嫌う、企業が人々の精神を意図的に操作しようとする試みと本質的に同じであると言うこともできる)。
だが、「Bar」なる場所は、「酒とコミュニケーションを求める者が集う場所」だけではあるまい。

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そこはこの世界に傷つけられた者、心に深い闇を抱えた者、それでも他者との邂逅と酒というナチュラル・ドラッグによる魂の癒しを必要としている者たちが「個」として立ち現れては消えゆく場所であり、そうした者たちが「酒」を通じて魂の交流を図れる唯一無二のオアシスでもある。

「Bar」とは、「カクテル」(あるいは他者によってグラスに注がれた単一酒)という媒介を通じて、個と個の魂(spirits)が出会う魂の交流場(Mixed soul Space)と捉えることもできるだろう。

あるいは「Bar」はそれ自体が巨大なシェーカーのような存在かもしれない。そのシェイカーの中で、そこに在る者の魂がブレンドされ、個と個が出逢い、ひとときの時間、熟成され、交じり合い、唯一無二のカクテルが生み出される。
そう、Bar『VA-11 Hall-A』でもBar『Red Strings Club』でも、そこには必ず誰かしら(それが人間であれそうでないものであれ)「他者」が訪れる。彼らの訪れによって、壁にかかった時計(それがアナログであれデジタルであれ)は動き出し、オーダーされたカクテルの数だけシェイカーが振られる。彼らは魂(spirits)の交感をもたらすそのBarでバーテンダーの作ったカクテル(spirits)を享受し、つかの間の魂の安寧を得ることができる。

両作における「酒」とは、客たちの心の深部に到達するための唯一無二のツールであり、具体的かつ、物質的に喉と心の渇きを癒すまったき「飲みもの」だ。
近未来において、人々はテクノロジーの進歩と企業の思惑によって人間らしい心を失いかけている。しかし古来より綿々と続いてきたこの向精神物質「酒 」は、彼らの心のプリミティブな部位に直截に触れ、コミュニケーションを回復するための有用な道具※として描かれる。

※もちろん、此の現実世界において「酒」はそのような「救世主」としての側面ばかりではないことは忘れてはならない。「酒」は数多くのトラブルを生み、依存や疾患を生み出すトラブルメイカーでもあるのだ。そのことは酒飲みとして常に心に留めておくべきだろう。

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『VA-11 Hall-A』と『The Red Strings Club』。
2010年代の終わりに、どちらも近未来(Cyber Punk)と「Bar」を舞台にしたインディーゲーム2作品が生まれたこと、その主人公が個性豊かなキャラクターたちと出会い、酒を供し、他者の心を開かせることを主な内容としていることは、筆者にはどこか示唆的に、象徴的に感じられた。そこにはある種の集合意識が働いているのかもしれない。

「Bar」「酒」という存在は、それ自体が「サイバーパンク(未来への反抗)」なのだと言ってしまいたい気持ちに駆られる。「Bar」と「酒」は、ケミカルとテクノロジーによる進化と利潤のみを目的化していく近未来・大企業に対するナチュラルな「個」としてのアンチテーゼであると同時に、普遍的な「心(spirits)」の存在の象徴なのではないか。


最後の最後に個人的な話でこの長文を締めたい。

私はかつてバーテンダーを職業にしていたことがあったのだが、色々あって、数年前にシェイカーを握ることを辞めた。

しかし昨年両作をプレイ後、現実世界におけるバーカウンターの中に再び入り、そこで「酒」を媒介にやってきた客、すなわち他者と交流すること——に再び強く惹きつけられてしまったのだった。

ゲームにおける「Bar」から、現実世界の「Bar」へと――それは象徴世界から現象世界へとジャンプするような哲学的体験になるのではあるまいか……そう考えた筆者は矢も盾もたまらず、行きつけのバー『F』に赴き、オーナー女性に無茶なお願いを試みた。

新米バーテンダーとしてしばらく無償で下働きさせてもらった後、一晩バーに立たせてもらえませんか? そしてできることなら――お客様にカクテルを作らせてもらえませんか? 

オーナーはしばしの逡巡の後、快諾してくれた。

私は30日間の下働きを終え(その期間でだいぶバーテンダーとしての勘を取り戻すことができた)、オーナーのカクテル・テイスティングによるテストをどうにかパスすると、その日、数年ぶりにバーカウンターに立った。

そして待ちに待ったその日、やってきたのが黒いフードを被った件の革ジャン・ドクロ、「ゴスト」だったのだ。

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「……どうぞ。ウォッカ・ギムレットです。」

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「……。」

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「あ、ありがとうございます!」(助かった……)

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「なかなか見事なお手並みだったわね。」

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「そのツインテール……まさか、君は……?」

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ジル「そのまさかよ」

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「ジル! 俺は君を……ずっと待っていたんだ。」

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ジル「私もあなたを待っていた。ほら、何も言わずにこのカクテルを飲んでみて。」

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「……ああ、君が作ってくれたシュガーラッシュはなんてうまいんだ……。まるで意識が遠い世界へ運ばれていくようだ……。このカクテルは……俺の1日を、いや、一生を変えてしまうことだろう。」

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ジル「ありがとう、ラブムーくん。今度は現実の世界で……会いましょう。」

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「ジル……行かないでくれ……う、どうしたんだ、身体が……動かない……」

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そして悠久とも覚える時間が流れた

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「……起きなさい。」

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「オ、オーナー……どうしたんですか? 今晩はこの店を1日僕にまかせてくれるはずでは……。」

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オーナー「あなた、昼間っからウンターの中で酔っぱらって床で寝てたのよ……いったいどれだけカクテル飲んだのよ。」

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「ま、まさか、そんな……。」

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オーナー「何も憶えてないってわけ? いくら元バーテンだからって、大事な自分の店を1日任せようとした私が愚かだったわ、とっととお家に帰んなさい。」

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「うう……」

 

『VA-11 Hall-A』の主人公、ジルは人間らしい傷心を抱えながらも、Barを訪れる他者たちと交流し、彼らの傷を癒し、自身が負っていた傷も癒していく。
そんなジルの口癖は「1日を変え、人生を変えるカクテルを!」
この言葉を座右の銘にしている彼女は最高に素敵だ。

また、かつて膝に重症を負い、ほとんどバーから動くことのない『Red Strings Club』のバーテンダー・ドノヴァンは、やってきた客たちが深層に抱えている心の闇を視覚的に「視て」、作り出したカクテルによって彼らの心のスペースを開くことができる。
ああ、2人はまさしくバーテンダーの鑑ではないか。

今後は2人を師と仰ぎ、バーテンダーとしての勉強を初心に戻って始めようと思った筆者は「Bar」と「酒」をメインテーマに据えた魅力的なゲームの到来をこれからも強く望むばかりである。

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文/カクテル提供・ラブムー Special Thanks to Bar flowers and Sayuki.A

※当記事は2019年10月に書いた記事「魂の交流場としてのBarとは」を(note削除にあたって)大幅に加筆訂正したものです。

 

※『ロング・グッドバイ』(レイモンド・チャンドラー)
ハードボイルド作家チャンドラーの代表作。探偵フィリップ・マーロウはある晩ナイトクラブで知り合ったいわくありげな青年テリー・レノックスをトラブルから救い出し、バーで酒を酌み交わし、友情を育むようになる。しかし、ほの暗い過去を持ったテリーはやがて殺人事件の容疑者となってしまう……。レイモンド・チャンドラーの最高傑作と名高く、後のハードボイルド小説に与えた影響は計り知れない。

※ギムレット 『ロング・グッドバイ』登場人物のテリー・レノックスは、ギムレットについて以下のように述べている。「皆、勘違いしているんだ。本当のギムレットというのは、ジンを半分とローズ社のライム・ジュースを半分混ぜるんだ。それだけ。こいつを飲むとマティーニなんて味気なく思える」